BALLET SHOES & HAIKU

haiku by Housai Ozaki / photo by Yoshinori Sugiyama

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今日も生きて虫なきしみる倉の白壁 のら犬の背の毛の秋風に立つさへ 打ちそこねた釘が首を曲げた すさまじく蚊がなく夜の痩せたからだが一つ 釘箱の釘がみんな曲つて居る 片つ方の耳にないしょ話しに来る 母の無い児の父であつたよ 女に捨てられたうす雲の夜の街灯 山に登れば淋しい村がみんな見える うそをついたやうな昼の月がある 堅い大地となり這う虫もなし とんぼが淋しい机にとまりに来てくれた こんなよい月を一人で見て寝る 自らをののしり尽きずあふむけに寝る どろぼう猫の眼と睨みあってる自分であった なんにもない机の引き出しをあけて見る 咳をしても一人 鳥がだまってとんで行った 切られる花を病人見てゐる 沈黙の池に亀一つ浮き上る 人をそしる心をすて豆の皮むく たった一人になり切って夕空 何か求むる心海へ放つ 乞食に話しかける我となって草もゆ
壺中夢