壺中夢の47人のおんなたち

輝ける
47人のおんなたち

高知県宮尾登美子(1926~2014)高知県高知市出身 小説家

紫綬褒章受賞、太宰治賞受賞、直木賞受賞、吉川英治賞受賞、菊池寛賞受賞、他

宮尾登美子の印象は受賞歴から推察しても次々話題作を提供し読者ファンも増えるばかりの成功者だと思われますが、成功者の例に洩れずデビュー作の「蓮」以降落選ばかりで編集者にも見放される不運など空白の10年があります。生家をテーマにした「櫂」を自費出版して以降は宮尾登美子の筋の通った構えに魅了されて脚光を浴びていく経緯をみますと高知の情熱が伝わってくるようです。
直木賞受賞の「一絃の琴」に続いて発表した「鬼龍院花子の生涯」の映画化で原作にはなかったという夏目雅子のセリフ“なめたら、なめたらいかんぜよ”の啖呵は宮尾登美子への天からのオマージュだったのかもしれない、そんな気がしてきます。
宮尾登美子も、宮尾登美子にふさわしい苦労をしています。負けじ魂がムクムクと起き上がる度に描写力に火がつき着付けの崩し方で語らせる苦悩と愛憎、全編にわたり信念を貫く気丈な女の内側を主題に書いて残した女っぷりの良い高知出身の作家です。

代表作「一絃の琴」「天璋院篤姫」「松風の家」「蔵」他

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